PGTC 2011 最終戦(Round 6) セントラルレーシングパークわかやま(CRP)

前日からの雨により開催が危ぶまれた最終戦PGTC第6ラウンドが11月6日セントラルレーシングパークわかやま(以下、CRP)にて開催された。悪天により参加人数が大幅に減ったものの、それでも各地から37名のドライバーが今年最後のレースに熱戦を繰り広げた。

昨日の雨により路面がウェット状態だったため、スタッフと参加者により懸命な排水作業を行い、ある程度走行可能な状態となったところでオープンクラスから5分間の予選を行なった。

今年のCRPでの開催は2回目となるが、前回とは異なる「左回り」でのレイアウトにてレースを実施。

予選第1ラウンド
オープンクラス


1組目
路面がまだまだウェット状態で各車スタート。そのためラップタイムは25秒台から30秒といったペース。少しでもレコードラインを外すと簡単にスピンやコースアウトする様な情況。そんな中でもオープンクラス参加の選手は繊細なドライビングで周回を重ねる。まずは佐橋忠彦(S733/Picco)が抜け出る。続いて、地元の雄 富田和成選手(RRR/O.S.)が続く。富田選手は前回CRPで開催されたPGTC第3戦にスポット参戦ながらもオープンクラス総合3位を獲得し、今回も優勝候補の一人。この組には、PGTCでスバ抜けた勝負強さを見せる寺内翼皓選手(MTX5/Novarossi)も走行。予選開始から2分を経過し、トップから佐橋(弟)選手、富田和成選手、そして広島から参加の大元敏嗣選手(NT1/O.S.)、4番手に寺内選手の順でレースが進行。しかし、寺内選手は前の3台に遅れをとり始める。各選手も様々な状況を考慮し、確実に記録を残すため無理せず確実に周回を重ねた結果、順位に変動はなく5分を経過。トップはそのまま佐橋(弟)選手が12周5分17秒830でゴール。

2組目
序盤から佐橋祐也選手(S733/Xceed)がトップタイムで走行。続いて川村昌義選手(NT1/O.S.)、森 潤一選手(NT1/Picco)、大東 肇選手(MTX5/RB)と続く。レース中盤に差し掛かると、序盤で6番手だった松田篤明選手(NT1/O.S.)がポジションを一つ上げて6番手となる。この組も無理なドライビングを控えて確実に周回を重ね予選での結果を残し、レース中盤以降に順位変動は無く 佐橋祐也選手が12周5分16秒828でトップゴール。

3組目
この組ころから路面も幾分回復してくるかと思われたが、その期待は外れ各車まだまだペースは上がらない様子。ベストラップも予選一組目と大きくかわらず25秒台の状態が続く。
高畑翔輝選手(R4/O.S.)がレースをリードし、若手の山田勇斗選手(MTX5/Novarossi)が2番手で走行。そして植月徹也選手(NT1/Picco)、松田拓海選手(S733/Xceed)が続く。しかし、植月選手は序盤にコースアウトして大きくタイムロス。松田選手もレース中盤にトラブルを抱え、そのままリタイヤしてしまう。トップの高畑選手がそのまま5分間を確実に走り切り12周5分13秒888というオープンクラス総合トップタイムでゴール。2番手でゴールした山田選手も12周に入り5分23秒110でゴール。


スポーツクラス
1組目
スタート直後、川畑大輔選手(RRR/Novarossi)がトップを走行。しかしすぐに佐用栄策選手(MTX5/Novarossi)がトップを奪う。しかし、それもつかの間のことでレース中盤には森山考明選手(NT1/Novarossi)がトップに。2番手には中野晃則選手(MTX4/Novarossi)が走行。しかし、中盤にポジションを落とした作用選手が徐々にペースを上げて2番手を走行している中野選手に迫る。残り時間が1分を切ったところで遂に前の中野選手のタイムを上回り2番手に浮上。トップは森山選手が守り切って11周5分12秒856でゴール。
2番手でゴールの佐用選手は11周5分14秒882でゴール。

2組目
野元健一選手(NT1/Novarossi)がレースをリードするものの中盤に5番手まで大きくポジションダウン。変わって足立幸雄選手(NT1/Novarossi)がトップに立つが、先ほど5番手がまでポジションを落とした野元選手が浮上し再びトップとなる。2番手は遠藤凛選手(R4/O.S.)。レース後半には神田侑輝選手(NT1/Novarossi)が2番手まで浮上。そしてトップから野元選手、神田選手、足立選手という順となりゴール。トップゴールの野元選手は11周5分8秒212とスポーツクラス総合トップタイムを記録。2番手ゴールの神田選手は11周5分11秒520と、総合2番手タイムでゴール。

第1ラウンド 総合トップ5
オープンクラス
1位 高畑翔輝 R4/O.S. 12周5分13秒888
2位 佐橋忠彦 S733/ Picco  12周5分16秒828
3位 佐橋裕也 S733/Xceed 12周5分17秒830
4位 富田和成 RRR/O.S. 12周5分21秒543
5位 山田勇斗 MTX5/Novarossi  12周5分23秒110

スポーツクラス

1位 野元健一 NT1/Novarossi 11周5分8秒212
2位 神田侑輝 NT1/Novarossi 11周5分11秒520
3位 森山考明 NT1/Novarossi 11周5分12秒856
4位 足立幸雄 NT1/Novarossi 11周5分13秒141
5位 佐用栄策 MTX5/Novarossi 11周5分14秒882







予選第2ラウンド

予選第1ラウンドで各車が走行することで路面も乾きをみせ、コンディションが向上してきたところで予選第2ラウンドがスタート。

オープンクラス
1組目
第1ラウンドより各車ラップが1秒ほど速いペースでスタート。ところがこの機をうまく活かせず田中広芳選手(NT1/Picco)がスタート直後にリタイヤ。トップは予選第1ラウンド同様、佐橋(弟)選手がキープ。2番手に寺内選手、3番手に富田選手。乾きだした路面のせいか、各車ラップタイムも周回を重ねるたびに向上しレース後半にはトップの3台が23秒台中盤まで記録。コンディションが向上きてきたレース後半、寺内選手が遂にトップとなりそのまま13周5分16秒702でゴール。2番手の佐橋(弟)選手は13周5分17秒462、3番手の富田選手も13周に入り5分18秒267でゴール。

2組目
大幅に向上したコンディションを活かそうとトップから佐橋(兄)選手、川村選手、森選手、横田隆雄選手(MTX5/Novarossi)の順にレースが進行。しかし、トップの佐橋(兄)選手が他のマシンに接触しエンジンストップ、そのままリタイヤしてしまう。そしてレースリーダーは川村選手となるが、レース中盤、後半も川村選手がトップをキープ。2番手に西本光弘選手(NT1/O.S.)、3番手に大東選手の順となり、そのまま各車ゴール。この組トップゴールの川村選手だけが唯一、5分22秒676というタイムで13周に入る。

3組目
徐々に路面コンディションが回復する中、オープンクラス最後の組を走行する選手は今回の予選において最もラッキーだと言える。しかし、それはこの状況を最大限に活かすということが前提である。予選1ラウンド目でタイムの残せなかった選手が一気に上位へ浮上するか、総合トップの高畑選手がさらにタイムを更新してトップの座を守りきるか、周囲の注目を得ながらオープンクラス最終組がスタートした。

序盤から高畑選手が22秒台のラップタイムをマークしトップに立つ。続いて山田選手、横山慎之佑選手(NT1/O.S.)がそれぞれ前と約0.5秒差で走行。4番手に松田選手、5番手には松田誠選手(MTX5/Novarossi)と続く。レース中盤、トップを走行する3台のタイム差が広がりを見せ始める。後半、3番手を走行していた横山選手がトラブルで後退し、3番手に松田拓海選手が浮上。高畑選手がこれまでの記録を大きく更新し14周5分21秒008で総合トップゴールを決めた。山田選手も記録を大きく更新し13周5分8秒338で総合2番手タイムでゴール。

スポーツクラス
1組目
森山選手と中野選手がまずは他のマシンから抜け出だしワンツー走行。3番手を寺田選手と武田憲一郎選手(NT1/Novarossi)が争う。トップ争いを繰り広げる森山選手と中野選手はレース序盤から中盤にかけて約3.5秒差。後半になるとそのタイム差がやや広がり5秒近くまでになる。トップの森山選手は落ち着いたドライビングでそのまま13周5分19秒859でトップゴール。2番手の中野選手も13周に入り、5分24秒181でゴール。
一方、3番手争いを繰り広げていた寺田選手と武田選手は、ゴール直前に4番手の武田選手が遂に寺田選手のタイムを上回り3番手になる。しかし再度、寺田選手が抜き返し3番手でゴール。

2組目
この日の予選最終組となるスポーツクラス2組目。レコードラインは完全にドライとなっている。若手ドライバーの神田選手を先頭にレースがスタート。神田選手と約1秒差で走行する島袋選手が2番手。3番手は足立選手。トップ2台の差に変化なく各マシンは周回を重ねる。レース中盤、3番手に遠藤選手が浮上するが。3番手を争う野元選手との激しいバトルが勃発する、この戦いは暫く続くが遠藤選手が制し3番手となる。レース後半、トップ争いを展開していた2番手の島袋選手のマシンが突如ストップ。大幅なタイムロスにより順位を大きく落としてしまう。そして神田選手を先頭に遠藤選手、足立選手という順で上位3台がゴール。トップの神田選手は13周5分8秒660とスポーツクラス総合トップタイムでのゴール。2番手でゴールした遠藤選手は総合3番手となる13周5分23秒348でゴール。

予選総合トップ5
オープンクラス

1位 高畑翔輝 R4/O.S. 14周5分21秒008
2位 山田勇斗 MTX5/Novarossi  13周5分8秒338
3位 寺内翼弘 MTX5/Novarossi 13周5分16秒702
4位 佐橋忠彦 S733/Picco 13周5分17秒462
5位 富田和成 RRR/O.S. 13周5分18秒267

スポーツクラス

1位 神田侑輝 NT1/Novarossi 13周5分8秒660
2位 森山考明 NT1/Novarossi 13周5分19秒859
3位 遠藤凛  R4/O.S. 13周5分23秒348
4位 中野晃則 MTX4/Novarossi 13周5分24秒181
5位 足立幸雄 NT1/Novarossi 13周5分24秒317






勝ち上がり決勝
勝ち上がり決勝スタートの直前、再び雨が降り出しドライとなった路面がまたしてもウェット状態になってしまう。幸い雨の量も少なくレースを敢行できるとの判断のもとオープンクラス1/4ファイナルから決勝レースがスタートした。

オープンクラス 1/4ファイナル
バッドコンディション下でのスタート後、3番グリッドスタートの横山選手がトップになり、2番手に西山正樹選手(NT1/O.S.)。この2台が序盤から3番手以降に大きく差を付けて抜き出る。しかし、すぐに8番グリッドスタートの森選手が3番手まで浮上しトップ2台に追撃を仕掛ける。まずは西山選手をパスして2番手に浮上。このとき、森選手とトップのとの差は約1.4秒。3番手に西山選手、4番手に田中選手。そして給油を各マシンが終えたところで森選手がトップになる。しかし、すぐにトラブルによりトップ争いから脱落。代わってトップに立ったのは西山選手。2番手には3.8秒差で横山選手、3番手に田中選手、4番手に横山選手。レース時間は10分間。残り時間が少なくなったところでトップ2台の差が広がる。そして3番手を走行していた田中選手が横山選手をパスして2番手に浮上しゴールを迎える。トップから西山選手、田中選手、横山選手、横田選手となりこの4台が次のセミファイナルへ勝ち上がることとなる。

オープンクラス 1/2ファイナル
スタート後、松田拓海選手がトップに立ち、トップ数台はテールトゥノーズの状態。2番手に富田選手、3番手に川村選手、4番手に佐橋(兄)選手。トップ争いの中、トップを走る松田選手が痛恨のスピンし。富田選手がリードしレースが進行。しかし、3分を過ぎたところでトップの富田選手のマシンにトラブルが発生し、富田選手はここで無念のリタイヤ。これにより後続の佐橋(兄)選手がトップとなり、各車給油に入る。その後、佐橋(兄)選手を先頭に、松田選手、川村選手、北山博之選手(MTX5/Novarossi)と続く。トップの佐橋(兄)選手はすでに後続に8秒以上の差をつけて独走状態。5番手には1/4ファイナルから勝ち上がった横山選手が浮上し、6番手には植月選手。残り時間が少なくなったレース後半、3位を走行していた川村選手を4番手の北山が遂に逆転。そして10分を経過し、佐橋(兄)選手、松田選手、北山選手、川村選手。横山選手、大元選手、田中選手、西山選手の順にゴールしグランドファイナルへこの8名が勝ち上がった。

オープンクラス グランドファイナル
オープニングラップは1番グリッドスタートの高畑選手がキープするものの、ちょっとした隙を後続マシンに一気に抜かれ4番手まで順位を落とす。トップから佐橋(弟)選手、寺内選手、松田選手となる。高畑選手はすぐに松田選手をパスして3番手に浮上。そしてここから、トップの佐橋(弟)選手と寺内選手がテールトゥノーズでトップ争いを終始繰り広げることとなる。この2台はテールトゥノーズの状態で同じタイミングで一度目の給油に入る。ピット作業での差もなく、そのまま2台はコースへ復帰。そして佐橋(弟)選手がコーナーでアンダーが出たところを寺内選手がインを取りトップとなる。3番手は変わらず高畑選手がキープ。4番手を走行していた松田選手はマフラートラブルで後退し、代わって横山選手が4番手となる。その後、2回目の給油を終えたところで再び佐橋(弟)選手がトップとなる。3番手を走行していた高畑選手はトラブルにより大きく後退し、山田選手が3番手に浮上。4番手は横山選手。その後、5番手の川村選手が横山選手をパスして4番手に浮上。横山選手はトラブルのためかそのまま大きく順位を落としていく。一方、トップ争いの佐橋(弟)選手と寺内選手は相変わらずテールトゥノーズ状態でコースを走行。各コーナーで熾烈な攻防を繰り広げる。残り時間が2分を切ろうかというとき、遂に寺内選手が佐橋(弟)選手を抜いて再びトップとなり、その後は完全に佐橋(弟)選手に抜くチャンスを与えずトップゴールし第5ラウンドに引き続き連勝を上げた。3位には山田選手が後続の川村選手の追撃をうまく抑えて逃げ切ってゴール。

スポーツクラス 1/2ファイナル
グランドファイナル進出を目指し、各マシンがスタート。序盤から島袋選手がトップになり、野元選手、作用選手が続き、そして武田選手、篠川光則選手(MTX4/O.S.)という順列でレース序盤が進行。5分を経過し給油を終えた時点でトップ3台の順位は変わらず、4番手に篠川選手がポジションをアップ。5番手にはスタートで最後尾まで順位を落とした寺田和弘選手(Capricorn/Novarossi)が早くも浮上。続く6番手に川畑大輔選手(RRR/Novarossi)が位置するなど中盤グループの順位が大きく変わる。その後、川畑選手がさらにポジションをアップして4番手まで浮上。しかし、トップ3台は序盤からの順位のまま走行を続け、そのまま10分を迎えて島袋選手を先頭に各車ゴール。勝ち上がりは、島袋選手、野元選手、佐用選手、川畑選手、足立選手、武田選手、寺田選手、篠川選手の8名。

 
スポーツクラス
グランドファイナル
森山選手が好スタートを切って、トップに。2番手にはスタート直後の混戦をうまく抜け出た川畑選手、3番手に野元選手、そして4番手に中野選手、5番手に寺田選手が続く。1番グリッドスタートの神田選手はスタートでエンジンがストップし大きく出遅れる。トップから各マシンの差は殆ど無く、まだまだ混戦状態。その後、トップ2台が少し抜け出て3番手、4番手には寺田選手、足立選手となる。スタートで出遅れた神田選手は猛烈な勢いで追い上げを見せ、一度目の給油の時点で早くも3番手まで浮上。給油後、順位はトップから森山選手、寺田選手、神田選手、足立選手、島袋選手となる。神田選手の追い上げはその後も続き、前の寺田選手をパスして2番手に浮上。しかしトップの森山選手とのタイム差は約8秒。残り時間もまだ十分にあり更なる展開を期待させる。一方、3番手の寺田選手、4番手の足立選手に後ろから川畑選手が迫る。そして2回目の給油を終えたところで遂に川畑選手が足立選手をパスして4番手に浮上。トップの森山選手と神田選手の差はこの時点でもまだ約8秒あり、そのまま最後の給油を迎える。この給油タイミングで神田選手が遂にトップとなり、追う側から逃げる側へと立場が変わる。2番手には森山選手が逆転を狙いながら神田選手の後ろを走る。3番手には川畑選手、4番手に寺田選手、5番手に足立選手と順位が変動。残り時間が2分を切ったとき神田選手のマシンがストレート走行中にトラブルが発生。この隙を突いて森山選手が再びトップとなり、そのままトップゴールしPGTCスポーツクラス優勝を手にした。2番手には川畑選手、3番手には寺田選手が続いてゴール。無念のトラブルを抱えた神田選手は4番手でゴール。神田選手はこの脚光を浴びる追い上げ劇を披露したことでベストパフォーマー賞を受賞した。










オープンクラスにてトップゴールを果たした寺内選手はシリーズランキングにおいても今回の優勝によりランキングトップとなり、2011年度PGTCチャンピオンの栄光を収めた。シリーズ第2位は高畑選手、そして第3位は今回スポーツクラスで優勝した森山選手となり2011年度のPGTCが幕を閉じた。

2012年度のPGTCは3月4日、O.S.フィールドからスタートいたします。







 →BACK