PGTC Round 5 黒井山RCサーキット

今年のPGTCシリーズのラウンド5は、岡山県の黒井山RCサーキットにて開催された。このサーキットでのPGTC開催は、今回が初となる。黒井山RCサーキットは、山陽自動車道からつながるブルーウェイと呼ばれるバイパス上に位置し、「道の駅 黒井山グリーンパーク」施設内にある。そのため、アクセスがよく非常に利便性が高いサーキットである。サーキットは、十分な幅があるホームストレートとテクニカルなインフィールドで構成され、1/8レーシングカーも走行できるほどの広さを持つ。PGTC Round5となるレース当日は、地元からの参加がやや少なかったものの、各地から総勢31名のエントリーがあり大いに盛り上がった。
オープンクラス


予選


第1ラウンド

1組目
現在、ランキングトップの寺内翼皓選手(MTX5/Novarossi)が開始早々から好タイムをマークしながら、この組のトップを走行。そして佐橋祐也(兄)選手(S733/Xceed)が寺内選手を追う。3番手ポジションはレース前半、植月徹也選手(NT1/Picco)がキープ。しかし後半は見崎幸雄選手(NT1/O.S.)が植月選手のタイムを上回り、3番手となり21周5分1秒262でゴール。トップ争いをしていた寺内選手、佐橋(兄)選手の2人はポジションが入れ替わることなくそのままゴール。寺内選手が23周5分5秒552、佐橋(兄)選手は23周5分10秒324。

2組目
今年のPGTCで2勝をあげている高畑翔輝選手(R4/O.S.)が序盤からハイペースで周回を重ねる。他の選手が13秒台のタイムで走行するなか、高畑選手は12秒台後半のタイムを途中何度か記録しながら圧倒的な速さで周回を重ねる。横山慎之佑選手(NT1/O.S.)も12秒台後半のタイムをマーク。そして佐橋忠彦(弟)選手(S733/Picco)も横山選手と同様に高畑選手を追うが及ばず、高畑選手が23秒5分2秒468というオープンクラス総合トップタイムでゴール。2番手に佐橋(弟)選手が23周5分6秒506、3番手に横山選手 23周5分10秒572でゴール。


第1ラウンド 総合トップ5
オープンクラス
1位 高畑翔輝 R4/O.S. 23周5分2秒468
2位 寺内翼皓 MTX5/Novarossi 23周5分5秒552
3位 佐橋忠彦 S733/Picco 23周5分6秒506
4位 佐橋祐也 S733/ Xceed 23周5分10秒324
5位 横山慎之佑 NT1/O.S.  23周5分10秒572


スポーツクラス


1組目
R4をドライブする遠藤凛選手(R4/O.S.)が好調な走りでトップを走行。2番手以降は、岡本雅司選手(NT1/Picco)と神田侑輝選手(NT1/Novarossi)が2位争い。レース中盤から岡本選手のペースが徐々にアップ。遠藤選手との差を次第に縮めながらゴールタイムの5分直前に遂にトップになり、21周5分7秒231でゴール。2番手ゴールの遠藤選手は21周5分8秒295でゴール。3番手には終始安定した自分のペースで走行した神田選手が21周5分13秒953でゴールした。

2組目
スタート直後は加藤靖彦選手(S733/Picco)がリードするが、すぐに足立幸雄選手(NT1/Novarossi)がトップに立つ。レース中盤には尾脇清文選手(NT1/Mega)がポジションアップし、トップ争いに加わる。さらに井村文彦選手(NT1/O.S.)が3番手に浮上し、尾脇選手、足立選手、加藤選手、井村選手の4人がトップ争いを繰り広げる。レース後半はこの4人が入り混じり順位が変動。この争いを制したのは19周5分1秒210でゴールした尾脇選手。そして、2番手は加藤選手が18周5分11秒282、3番手に井村選手 18周5分13秒567。4番手に足立選手という順でゴール。

3組目
広島から参加の茶山浩次選手(NT1/O.S.)がトップをキープ。そして大阪から参加の森山孝明選手(NT1/Novarossi)が追う。しかし、森山選手は途中のタイムロスが目立ちトップの茶山選手との差が次第に広がる。3番手には中迫秀則選手(S733/Novarossi)が位置する。レース中盤に園木選手がトラブルによりリタイヤしてしまう。茶山選手同様、広島から参加の野口英之選手(S733/O.S.)はポンダートラブルにより計測できず。結局、この組はトップタイム争いに競り勝った茶山選手が21周5分12秒731でトップゴール。2番手の森山選手は20周5分4秒483、3番手は中迫選手が20周5分6秒608でゴール。



第1ラウンド 総合トップ5
スポーツクラス

1位 岡本雅司 NT1/Picco 21周5分7秒231
2位 遠藤凛 R4/O.S 21周5分8秒295
3位 茶山浩次 NT1/O.S 21周5分12秒731
4位 神田侑輝 NT1/Novarossi 21周5分13秒953
5位 森山考明 NT1/Novarossi 20周5分4秒483







予選第2ラウンド


オープンクラス

1組目
佐橋(兄)選手と寺内選手の2台がスタート直後から抜け出てコンマ数秒差でトップ争い。序盤で一時、寺内選手がトップになるが佐橋(兄)選手がレース中盤でトップを奪う。その後、トップの佐橋選手が予選第1ラウンドの記録を更新する23周5分3秒737でゴール。2番手ゴールの寺内選手は5分9秒095。3番手にはレース序盤から安定したラップタイムで走行していた田中広芳選手(NT1/Picco)が21周5分4秒491でゴール。

2組目
またしても高畑選手が他の選手から抜き出てトップを走行。果敢に佐橋(弟)選手がコーナーを攻め、タイム更新を狙いながら2番手タイムで好調に走行していたのだがレース後半にトラブルによりリタイヤしてしまう。1ラウンド目でも記録を残せなかった松田拓海選手(S733/Xceed)も途中リタイヤしてしまう。残る、横山選手、嶋崎真弥選手(MTX5/Novarossi)、藤井拓哉選手(MTX5/Novarossi)がトップを狙うが高畑選手はまたしても5分間をノーミスで走り切り、23周5分5秒274でゴール。2番手に横山選手が23周5分11秒378、3番手に藤井選手が22周5分14秒075でゴール。

スポーツクラス
1組目
神田選手と片岡大作選手(NT1/Picco)、遠藤選手が飛び出てトップ争い。序盤、神田選手がトップタイムになるが、すぐに片岡選手がトップに立つ。その後、神田選手が再びトップに立つ。遠藤選手は3番手タイムで周回を重ねる。レース中盤、トップの神田選手がトラブルで大きく後退してしまう。これを機に3番手の遠藤選手が一気にトップとなる。2番手は片岡選手。5分が経過し、遠藤選手が20周5分0秒552でトップゴール。続いて片岡選手が19周5分5秒845の2番手タイムでゴール。

2組目
レース中盤までトップに足立選手、2番手に井村文彦選手(NT1/O.S.)、3番手に加藤(靖)選手と続く。しかし、中盤になると尾脇選手、渡辺匡弘選手(NT1/RB)が2、3番手に浮上。しかしトップの足立選手は2番手以降を大きく引き離し5分間を走り切り20周5分2秒369のタイムでゴール。
2番手は尾脇選手が19周5分12秒073、3番手に渡辺選手が17周5分4秒474でゴール。

3組目
スタート直後に3番手ポジションを走行していた茶山選手がレース中盤までにトップに踊り出る。後方から野口選手が周回を重ねるたびにポジションを上げ、レース後半にはなんと3番手まで浮上。コンマ数秒差のトップ争いを繰り広げる茶山選手と中迫選手。レース後半に中迫選手が遂に茶山選手を捕らえて遂にトップに。このまま5分を終了し、中迫選手が20周5分10秒798でトップゴール。2番手に茶山選手が20周5分12秒381、3番手に野口選手がゴール。

第2ラウンド 総合トップ5

オープンクラス

1位 高畑翔輝 R4/O.S. 23周5分2秒468
2位 佐橋祐也 S733/Xceed 23周5分3秒737
3位 寺内翼皓 MTX5/Novarossi 23周5分5秒552
4位 佐橋忠彦 S733/Picco 23周5分6秒506
5位 横山慎之佑 NT1/O.S.  23周5分10秒572

スポーツクラス

1位 岡本雅司 NT1/Picco 21周5分7秒231
2位 遠藤凛  R4/O.S. 21周5分8秒295
3位 茶山浩次 NT1/O.S. 21周5分12秒731
4位 神田侑輝 NT1/Novarossi 21周5分13秒953
5位 足立幸雄 NT1/Novarossi 20周5分2秒369






予選最終ラウンド

オープンクラス
1組目
寺内選手と佐橋(兄)選手がまたしてもトップ争いの展開で始まった予選最終ラウンド1組目。注目される中、佐橋(兄)選手がレース中盤に順位を大きく落とす。代わって、見崎選手が2番手となる。トップを走行していた寺内選手は自分のペースできっちりと周回を重ねるものの、途中でのタイムロスが響きトップでゴールするもののタイム更新できず23周5分9秒820で予選を終える。2番手を走行していた見崎選手の後ろには植月選手が走行しており、両者の差はわずか。最後まで見崎選手はペースを崩すことなく5分間を走り切り、21周5分2秒231でゴール。続いて植月選手が見崎選手に一歩及ばず21周5分3秒665でゴール。

2組目
ここまでトップタイムを死守してきた高畑選手の記録を目指し、逆転を狙う他の選手が果敢に攻める。この日、好調の高畑選手がまたもやトップを走行。2番手ポジションを佐橋(弟)選手と嶋崎選手が争いながら、トップの高畑選手を追う。しかし、高畑選手のペースは速く、次第に2番手以降との差が開いていく。2番手争いの佐橋(弟)選手と嶋崎選手は時折その順位を入れ替えながら周回を重ねる。5分が経過し、高畑選手が難なく23周5分4秒503でゴール。2番手に佐橋(弟)選手が23周5分10秒011、3番手に嶋崎選手が22周5分1秒481でゴール。第1、第2の両ラウンドで記録を残せなかった松田選手はなんとか5分間を走り切ったものの21周5分4秒238と、上位陣から大きく出遅れる形で予選を終える。

スポーツクラス
1組目
岡本選手がトップタイムで好調に周回を重ねていく。2番手に片岡選手、3番手に神田選手と続く。序盤、上位を走行していた神田選手であったがレース中盤にポジションを大きく落としてしまう。レース後半になってトップを走行していた岡本選手がゴール直前にリタイヤ。そして、2番手を走行していた片岡選手がトップに浮上。2番手はレース中盤にポジションを落とした神田選手が追い上げてきており、トップから片岡選手、神田選手、遠藤選手と続く。5分のゴール合図を迎え、片岡選手が21周5分6秒340でトップゴール。2番手の神田選手は21周5分8秒951。3番手ゴールの遠藤選手はレース中盤でのタイムロスが響き、20周5分2秒939でゴール。

2組目
足立選手、加藤(靖)選手、井村選手、尾脇選手の順でレースが進行し、そのままレース中盤に差し掛かる。ここで2番手の加藤(靖)選手が4番手にポジションをおとしてしまい、加藤(靖)選手、尾脇選手に前を走られることとなる。しかし、ゴール直前には再び加藤(靖)選手が2番手に浮上し、トップから足立選手20周5分7秒831、加藤(靖)選手19周5分10秒960、尾脇選手18周5分4秒686がゴール。4番手ゴールは最後の最後に井村選手のタイムを上回った渡辺選手が18周5分11秒926でゴール。

3組目
スタート直後から中迫選手が抜き出てトップタイムで周回を重ねる。レース序盤では4番手ポジションの茶山選手が追い上げ、2番手に浮上。3番手は園木圭一選手(NT1/O.S.)、4番手に野口選手が続く。トップの中迫選手は乱れることなく終始トップを走り21周5分8秒695でゴール。2番手はゴール直前に園木選手が立つものの、茶山選手が奪い返して20周5分1秒590でゴール。3番手に園木選手が20周5分6秒297でゴール。

予選総合トップ5

オープンクラス

1位 高畑翔輝 R4/O.S. 23周5分2秒468
2位 佐橋祐也 S733/Xceed 23周5分3秒737
3位 寺内翼皓 MTX5/Novarossi 23周5分5秒552
4位 佐橋忠彦 S733/Picco 23周5分6秒506
5位 横山慎之佑 NT1/O.S.  23周5分10秒572

スポーツクラス

1位 片岡大作 NT1/Picco 21周5分6秒340
2位 岡本雅司 NT1/Picco 21周5分7秒231
3位 遠藤凛  R4/O.S. 21周5分8秒295
4位 茶山浩次 NT1/O.S. 21周5分12秒731
5位 神田侑輝 NT1/Novarossi 21周5分13秒953



勝ち上がり決勝

スポーツクラス 1/4ファイナル

10分間で行なわれる1/4セミファイナル。この1/4ファイナルでは6台中4台が1/2ファイナルへ勝ち進むことができる。スタート直後の混戦を抜け出た川口朋選手(NT1/Mega)と野口選手がレースをリード。しかし、野口選手が川口選手をパスしてトップに踊り出る。3番手は井村選手、加藤文晶選手(NT1/Picco)が争う。5分を経過した給油後も野口選手がトップをキープし、逃げ切り体制に入る。レース後半に差し掛かると、井村選手が追い上げ、2番手に浮上。3番手に川口選手、4番手に加藤選手。このまま、この4台がゴールし、1/2ファイナルに勝ち上がることとなった。

スポーツクラス 1/2ファイナル

スタート直後の第1コーナーをグリッド順に各マシンが通過しようとしたとき、2番グリッドスタートの茶山選手のマシンがスピン。これに後続が次々と追突し、1番グリッドスタートの神田選手が大きくリードを広げる。しかし、3分を経過すると2番手の園木選手が神田選手の1秒後方にまで追い上げ、3番手に茶山選手。4番手に森山選手が続く。ここで、トップを走る神田選手のマシンにトラブルが発生し、ピットインを余儀なくされ順位を大きく落としてしまう。その後、園木選手が1度目の給油後にトップに立ち、2番手に茶山選手。3番手には尾脇選手が浮上してきていた。そして4番手には11番グリッドスタートの川口選手が浮上し、前の尾脇選手と3番手争いを繰り広げる。2度目の給油を終えると、トップが茶山選手となり2番手に園木選手、3番手に森山選手、4番手に川口選手となる。そして残り時間がわずかとなったとき、2番手を走行していた茶山選手が遂に園木選手をパスしてトップに躍り出る。これでペースを乱されたのか、園木選手が一気にポジションを落としてしまう。2番手に森山選手、3番手には中盤から追い上げてきた野口選手が浮上し、荒れた1/2ファイナルを園木選手が制し、後続の7台とともにグランドファイナルへ勝ち進むこととなった。
オープンクラス


グランドファイナル


1番グリッドスタートの高畑選手が第1コーナーでフェンスにヒットし、あっけなくトップの座から落ちてしまう。替わってトップに立ったのは佐橋(兄)選手。続いて、佐橋(弟)、高畑選手、寺内選手と続く。しかしトップを走行していた佐橋(兄)選手がフェンスにヒットしたあと4番手走行の寺内選手が一気に2番手まで浮上し、更にトップを狙う。その後、4番手に後退した佐橋(兄)選手と5番手の横山選手が4番手争いを展開。5番手、6番手には嶋崎選手、植月選手が走行。5分を経過し、各車1回目の給油を終えた頃、再びトップ集団のバトルが再発。給油後は寺内選手がトップに浮上し、佐橋(弟)選手、高畑選手がつづく。寺内選手が2位以下に4〜5秒の差をつけているものの、まだまだ余裕があるとは言えない状態。その2番手争いは激しく、3番手を走行している高畑選手が猛烈に前の佐橋(弟)選手をプッシュ。そして高畑選手が遂に佐橋(弟)選手をパスして2番手に浮上。更にトップの寺内選手を狙う。この時点でトップと高畑選手のタイム差は約4秒。10分を経過して各車2回目の給油に入る。給油後も寺内選手がトップをキープし、2番手に高畑選手、3番手に佐橋(兄)選手、4番手、5番手に佐橋(弟)、横山選手が続く。その後、トップを走る寺内選手と高畑選手との差がわずかづつ広がりを見せ、3位争いは佐橋兄弟がテールトゥーノーズの状態でバトル。最後の給油後も順位の変動はなく、徐々に後続との差を広げていった寺内選手が見事にトップゴールを果たし、今シーズン3勝目をあげた。2位に高畑選手、3位に佐橋(兄)選手がゴール。
スポーツクラス


グランドファイナル


3番グリッドの中迫選手がスタートでうまく飛び出てトップに立ち、遠藤選手が続く。しかし、まだまだ混戦状態。この機を逃すまいと片岡選手と岡本選手が、中迫選手と遠藤選手の前に出る。ところが中迫選手、遠藤選手も負けまいと前の岡本選手と3台で2番手争い。そして2番手を走る岡本選手がトップの片岡選手を抜いてトップに立つ。すぐ後ろには遠藤、中迫、茶山選手が続く。この混戦状態のまま1度目の給油を各車終え、再びコース上で激しい争いを繰り広げる。このときには、岡本選手がトップとなり、片岡選手、遠藤選手、中迫選手と続く。このあたりからトップ争いが激しくなる。2度目の給油後、遠藤選手がトップになるが岡本選手が遠藤選手をパスしてトップに。しかし、岡本選手のトップも長くは続かず、片岡選手が浮上。この順位の入れ替わりの隙をついて遠藤選手が2番手となる。トップから片岡選手、遠藤選手、中迫選手、森山選手と続き、3度目の給油を迎える。その後もトップは片岡選手が2番手以下に9秒近いタイム差で独走状態にはいる。そころが、2番手を走行していた遠藤選手が猛烈な追い上げを見せ周回を重ねるたびにトップとの差をつめ、ゴール2分前には9秒のタイム差を3.8秒にまで縮めてきた。どんどん縮まる片岡選手と遠藤選手の差。誰もが大逆転を想像したであろうが、トップの片岡選手がなんとか逃げ切ってスポーツクラス今シーズン初優勝を果たした。そして片岡選手にわずかに及ばず2位でゴールした遠藤選手には、果敢な走りを賞してベストパフォーマー賞が贈られた。3位に森山選手がゴールし、PGTC ラウンド5で最も激しいバトルが展開されたレースが終了した。
 

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