PGTC ラウンド3

プライベーター達が優勝を手にしたラウンド1、ラウンド2。そして、いよいよ後の無くなってきたワークス勢の巻き返しなるか!?

根性勝負!?
Round3が開催されたTRSサーキットの攻略ポイントは「男のシケイン」。ほぼ全開で駆け抜ける高速シケインの攻略がタイムアップのポイント。しかし、わずかなライン取りのミスでフェンスにヒットするとマシンへのダメージは多大となる今回のTRSサーキット。チャンピオンを獲得するのはいったい誰になるのか?当初予定されていた日の天気が悪いということで、1週間予定を遅らせての開催となった。

注目の新型マシン SERPENT733 & Team MAGIC G4RSが予選1ラウンドから投入!
各ヒートのゼッケン1番に該当する選手のジャンケンの勝敗によりスタート順がシャッフルされ予選がスタート。予選1組目の横山選手(NT1/O.S.)が好調なペースで周回し、いきなり23周5分11秒をマーク。

続く2ヒート目では大岩選手(NT1/RB)が22周5分5秒をマーク。

3ヒート目にはサーパントの新型マシンである733と新タイヤブランドXCEEDを投入した佐橋祐也選手がこのヒートのトップを走行していたが、マシントラブルのためにホームストレートで突然のスピードダウンによりそのままピットイン。同ヒートの寺内選手(720/NOVA)はミスによるタイムロスとトラブルによって途中リタイヤしてしまう。

4ヒート目が進行中、雨が降り始めてレースが一時中断。天気予報では「曇り時々雨」。天候の回復を待つ。幸運なことに雨はそう長く降り続くことなく、スタッフと参加者によってコースの排水作業を開始。テストランにより路面コンディションを確認して、4ヒート目が再スタートされた。このヒートでは前回Round2のチャンピオンである弱冠12歳の松田選手(RRR/PICCO)がタイムアタック。この松田選手と、戸川選手(RRR/O.S.)、藤田選手(NT1/PICCO)の3名がトップ争いを繰り広げ、途中からは佐橋忠彦(720/PICCO)がトップ争いに加わる。そして、佐橋忠彦選手がトップに立ち、松田、藤田の順にゴール。

しかし、このヒートでトップゴールした佐橋忠彦選手でも、ここまでのトップタイムをマークした横山選手の23周には届かない22周5分1秒。次のラウンドに臨むこととなる。

1ラウンド目の最終ヒートでは、途中からベテランの浅原選手(NT1/MEGA)がトップに立ち、ベテランらしい安定した走行で22周5分10秒をマーク。

予選1ラウンド内で唯一23周をマークした横山選手がトップとなり、佐橋忠彦、松田、藤田の順となり、ワークス勢の巻き返しを予想させる。 

予選2ラウンド
予選1ラウンド目でマシンと路面のコンディションを確認した他のドライバーもこの日のセッティングの方向性を見出し、予選2ラウンド目からのタイムアップに望む。

1ラウンド目で唯一抜き出たタイムを記録した横山選手がベストラップを12秒台まで更新する好調な走り出しだったが、ペースをうまくあげることが出来ずこのヒートでは23周に入ることは出来なかった。この間隙を縫ってきたのは藤田選手。大きくタイムを更新し、先の横山選手の記録を塗り替える23周5分7秒をマークして総合トップに立つ。続いてサーパントの新型マシン「733」とXceedタイヤを投入した佐橋祐也選手もタイムを更新するが、藤田選手には及ばない22周5分フラット。

もっとも熾烈だったのは5ヒート目。ベテラン浅原選手と、PGTC Round1のチャンピオンである島崎(MTX4/PICCO)選手。そしてTRSをホームサーキットとしている岩間選手(NT1/NOVA)の3人によるトップ争い。この3人が常に1秒以内でバトルを繰り広げ、浅原選手と島崎選手とのベストラップは0.01秒しか変わらず、目の離せないヒート。しかし島崎選手がトラブルによりリタイヤし、ミス無くベテランぶりを発揮した浅原選手がトップゴールを決めた。しかし、藤田選手が記録した23周5分7秒には及ぶことはできず、藤田選手がここまでの総合トップとなる。


逆転なるかの最終予選ラウンド
終始安定感のある走りをした横山選手であったが、予選最終ラウンドではタイムアップすることが出来ず、1ラウンド目の記録がベストタイムとなる。


もう後のなくなった予選最終ヒートで追い込まれたのか、佐橋祐也選手と寺内選手が猛烈な走りで23周をマーク!前のラウンドで23周を記録した藤田選手や、ここまでのトップ10に食い込んできた松田選手、佐橋忠彦選手がこの最終ラウンドではトラブルにより次々とリタイヤして最終予選ラウンドを棒に振ってしまう。

しかしながら、藤田選手が2ラウンド目で記録した23周5分7秒が予選総合トップタイムとなり、佐橋祐也選手、横山選手、寺内選手といったワークスドライバーがシードを獲得し、これまでの無念を晴らさんと決勝に望む。



勝ち上がり決勝開始!
午後2時30分、1/8Bメインから順次勝ち上がり決勝がスタート。1/8メインはA,Bともに4名しかいないため、高い確率で次の1/4メインに勝ちあがることが可能。しかし、マシントラブルに見舞われた布川選手(MTX4/O.S.)が不運にもリタイヤし、他の3名が勝ちあがる。

1/8Aメインでは畑選手(MTX4/NOVA)がリードし、長谷川選手(MTX4/NOVA)、加藤選手(NT1/PICCO)、朝野選手(RRR/O.S.)の順でレースは展開。しかし、4分過ぎに朝野選手のマシンからサイドベルトが脱落。これによりマシンコントロールが難しくなってペースダウン。しかし、2回目のピットインで即座に修復し3番手に浮上して間一髪勝ちあがりのキップを獲得した。

1/4Bメイン
スタート直後、数台のマシンが接触。ゼッケン5番の大西選手(MTX4/O.S.)がフライングでピットストップペナルティー。2番グリッドスタートの石戸選手(NT1/O.S.)がまずはリードでレースは展開。スタートから2分、大西選手、石戸選手、門内選手(720/MEGA)がトラブルでピットに入る。レース中盤では、鈴木選手(G4RS/PICCO)が2番手になり、トップに迫ってきた。その後、トップの松井選手(NT1/O.S.)の後ろから猛烈なプレッシャーを与えながら、8分過ぎには1秒差にまでなった。レース時間は10分間。残り時間もわずかとなった9分40秒で松井選手が痛恨のミス!その傍ら鈴木選手が抜けていき、そのまま1/4Bメインのトップゴールを決めた。続いて、松井選手、久保選手(MTX4/Ninja)がゴールしてセミファイナルに駒を進めた。

1/4Aメイン
1番グリッドスタートの長谷川選手(NT1/O.S.)を筆頭に本戦では唯一となる女性ドライバー、ラジコンマガジンの松倉選手(NT1/MEGA)が2番手の形でレースがスタート。しかし、松倉選手はミスで9番手まで一気に順位を落としてしまう。3分を過ぎたころには長谷川選手、安井選手(MTX4/O.S.)、稲垣選手(NT1/RB)がトップ争い。中でも、安井選手がトップの長谷川選手に詰め寄り、レース終了間際には1.5秒差までに差を縮めた。しかし、トップの長谷川選手はこれに動じることなくそのままトップゴールを決め、続いて、安井選手、稲垣選手の順にゴールし、この上位3名が次のセミファイナルに勝ち上がることとなった。

セミファイナル
1/2B
前のラウンドのチャンピオンである松田選手が走行する1/2Bファイナル。そして、大岩、鈴木、村上、鈴木といった名の知れた選手がひしめく1/2Bファイナル。グランドファイナルへの進出を賭けて遂にスタート。

1番グリッドからスタートの松田選手が好スタートを決め、2番手を走行している村上選手(NT1/RB)を引き離しにかかる。そのすぐ後ろには渡辺選手(G4RS/PICCO)が1秒差で付け 4分経過した時点ではトップに松田選手、2番手に村上選手、3番手に北出選手(MTX4/NOVA)となる。このまましばらく大きな動きがなく動きがあったのはレース中盤の10分頃4番手を走行していた鳥井選手(NT1/O.S.)が3番手に浮上。この時点でトップの松田選手と、2番手の村上選手との差は5秒まで広がる。前回のRound2において優勝し勢いに乗る松田選手のドライビングは終始安定した速さを感じ取れる。途中、2番手以降の順位に変動は見られるが松田選手は安定してトップをキープ。13分が過ぎたころには2番手の北出選手に1ラップの差をつけて完全に独走状態。そのまま余裕のゴールでグランドファイナル進出を決めた。2番手にはレース中盤に一時順位を落とすものの、後半に一気に追い上げを見せた北出選手、渡辺選手が3番手となってグランドファイナル進出が決定した。

1/2A
1番グリッドスタートの佐橋忠彦選手がポイント獲得に向けて好スタート。序盤でトップを走行するものの、フェンスにマシンをヒットさせてしまい6番手に順位を落とす。そして、前の島崎選手を追うがさらにミスでその差を広げてしまい、完全にトップ争いから脱落。それを尻目に2番グリッドスタートの浅原選手がトップに立ってレースをリード。しかし、5分を過ぎたところで島崎選手がトップに立つ。ここから島崎選手と浅原選手の抜きつ抜かれつのバトルが始まった。バックストレートエンドでマシンのテールが流れる島崎選手のすぐ後ろで巧みなマシンコントロールで差を詰める浅原選手。インフィールド入り繰りのS字コーナーではサイドバイサイドでコーナーの出口では常に順位が入れ替わるといったデッドヒートを繰り広げ、目を離せない状態。この状態が12分過ぎまで続く。


不運!
しかし、レースの展開は思わぬ方向に。周回遅れの森選手のマシンが浅原選手にまさかの接触。これによって、島崎選手との差が一気に広がってしまう。残り時間の無い状態でこの接触によるタイムロスは大きな痛手となり、島崎選手はそのまま逃げ切ってトップゴール。そして、浅原選手がゴール。3番手には1/4から勝ち上がり、10番グリッドからスートの稲垣選手が地道な走りで他を抑えてグランドファイナルに進出。

グランドファイナル
ポールポジションスタートの藤田選手から順に名前が呼ばれて操縦台に上り、各自立ち位置を決めスタート準備をとる。3分前のコールでコースインし、マシンのフィーリングを確認。助手による細かなニードル調整が行われスタート合図を待つ10名の選手達。グリッドにマシンをつけるスタート30秒前。
スタート10秒前のコールが入る。

各マシンのエンジンサウンドが最高潮に達し、一瞬の静寂が訪れるスタート5秒前。助手はマシンから手を離し、ドライバーはフラッグに集中する。

フラッグが振られた瞬間、各車一斉にスタート!男のシケインを次々にマシンが駆け抜け、バックストレートに入る。そのまま一気にトップスピードに乗せ、次はインフィールドへ。各車、接触をうまく避けながら次々にコーナーをクリアーしていく。


好スタートの藤田がリード!
ファーストラップはポールポジションスタートの藤田選手を筆頭に、佐橋、寺内、横山、松田の順にスタート。しかし、寺内選手が転倒して5番手に順位を落とす。2分過ぎ、佐橋選手のマシンはボディーを巻き込み大きく順位を落とす。これにより横山選手が2番手に浮上し、前の藤田選手に1.1秒差まで迫る。3番手には寺内選手。
5分を過ぎて各車1回目の給油を終えた直後に4番手を走行していた島崎選手がトラブルでリタイヤ。続いて佐橋選手もマシントラブルでピットイン。


あっけないトップの入れ替わり
藤田選手がトップのまま2番手の横山選手とトップ争いが始まる。しかし、このトップ争いは長く続かず、横山選手が藤田選手の前に出る。

9分過ぎ、稲垣選手、北出選手がそれぞれクラッシュで大きなダメージを抱えピットストップ。

中盤グループはG4RSをドライブする10番グリッドスタートの渡辺選手がSERPENT733をドライブする佐橋選手を抑えて健闘。

崩れない横山の走り
トップを走行している横山選手と2番手の藤田選手との差は4秒まで広がる。
必死で追い上げようとする藤田選手であったが前の横山選手との差はまったく縮まらず、むしろその差は序々に広がりを見せ始めたかと思った瞬間、藤田選手のマシンがホームストレートで突然のストップ!この間に寺内選手が2番手に浮上し、今度は寺内選手が横山選手にアタックを開始。ここまでのベストラップは横山選手が12秒908、寺内選手が12秒859と幾分寺内選手に分があると思われたがアベレージでは横山選手の方が速く、17分を経過した時点で2人の差は約8秒となる。この時点での順位はトップに横山選手、2番手に寺内選手、3番手に藤田選手、4番手に松田選手、5番手に浅原選手となっていた。

OSモータースポーツ 初の優勝ポイント
残り時間もあとわずかとなり、トップを走る横山選手にも緊張が走る。そして、必死のドライビングで追い上げようとする寺内選手。わずかながらその差を縮めてきた寺内選手だったが横山選手に追いつくことはできず、横山選手がPGTC Round3の優勝を決めた。


目の離せない今後
PGTC 3戦目にしてようやくワークスドライバーがトップに立ったが、Round1、Round2ともにプライベーターがトップを獲得。今後の展開がまったくわからないPGTCも次で4戦目となり、有効ポイントを獲得していないワークス勢もいよいよ追い込まれてきた。
現在のポイントリーダーは12歳の松田選手。6ポイント差で2番手に寺内選手。寺内選手と1ポイント差で3番手に島崎選手と、平成生まれの若手ドライバーがトップ3を占める。


ベストパフォーマー
セミファイナルから勝ち上がり、強豪ひしめくグランドファイナルにおいて一切のひけ を感じさせない走りをした北出選手にベストパフォーマー賞が贈られた。

次回Round4は8月2日 岡山県AIDAサーキットにて開催!
雨が降らないことを祈りましょう!
 

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