Round5 CRP レースレポート

PGTC 2014最終戦 セントラルレーシングパーク わかやま
遂に、今年最後のPGTCラウンドが12月14日、セントラルレーシングパークわかやまにて開催された。レース当日は寒波の到来もあり、予選開始時には雪が降り始める。あわやレース続行が危ぶまれるかと思われたが、何とか天候は持ちこたえ各選手は寒さをこらえて予選に望んだ。今回、オープンクラスには関東から下高章選手が急遽参戦し、全日本選手権さながらの、ハイレベルなレースが予期された。
予選第1ラウンド
TGゴムタイヤクラス
降り始めた雪の影響をまともに受けたのはTGゴムタイヤクラス。各コーナーをマシンがスライドしながら走行していく。そんな状況下でマシンを
巧みにコントロールしていた津曲亮一選手(MTX5)が序盤からレースをリード。しかし、3分を過ぎたところでマシントラブルにより最下位に順位を落とす。これにより後続の植田博之選手(NT1)と、この組で最も速いラップタイムである22秒630をカウントした梅本辰彦選手(MTX5)が津曲選手に代わってレースをリード。そのまま予選第1ラウンドは植田選手が13周5分7秒097でトップゴール。梅本選手も13周をカウントして5分9秒569でゴール。

予選第1ラウンド総合結果 TOP5
TGゴムタイヤクラス
1位 植田 博之選手(NT1)13周5分7秒097
2位 梅本 辰彦選手(MTX5)13周5分9秒569
3位 棚橋 研選手(MTX5)13周5分14秒685
4位 具志堅 武治選手(NT1)13周5分22秒080
5位 片岡 義人選手(NT1)13周5分23秒679

スポーツクラス
まずは1組目の松田誠選手(MTX6/O.S.)が14周5分4秒872というタイムで1組目をトップゴールし、これがスポーツクラス2組目以降の目指すタイムとなる。2組目では棚橋研選手(MTX6/Nova)、森山孝明選手(MTX6/RB)がトップ争い。そのまま棚橋選手がトップゴールするものの、1組目のトップタイムホルダー、松田選手に及ばず14周5分16秒931。続く3組目では、ここセントラルレーシングパーク常連の西本光宏選手が好ペースで走行。レース後半にはなんと20秒台のラップタイムを多数カウントして、そのままスポーツクラスでは唯一の15周をカウントし5分18秒785でゴール。これがスポーツクラス予選1ラウンド目のトップタイムとなる。

スポーツクラス
1位 西本 光宏選手(NT1/O.S.)15周5分18秒785
2位 原田 博志選手(Natrix748/Picco)14周5分4秒366
3位 松田 誠選手(MTX6/O.S.)14周5分4秒872
4位 皆川 誠選手(NT1/Nova)14周5分14秒726
5位 棚橋 研選手(MTX6/Nova)14周5分16秒931

オープンクラス
レース序盤、佐橋忠彦(弟)選手(NATRIX748/Picco)がレースをリードし、高畑翔暉選手(HK-1/O.S.)、松田拓海選手(NT1/Picco)が追う。時折、佐橋(弟)選手と高畑選手の順位が入れ替わるほどトップ争いは熾烈を極める。しかし、高畑選手は最後にガス欠となり後退。そのまま佐橋(弟)選手が16周5分15秒702でトップゴール。2番手にゴールした松田拓海選手は16周5分17秒146

オープンクラス
1位 佐橋 忠彦(弟)選手(Natrix748/Picco)16周5分15秒702
2位 松田 拓海選手(NT1/Picco)16周5分17秒146
3位 佐橋 祐也(兄)選手(Natrix748/Picco)16周5分19秒041
4位 高畑 翔暉選手(HK-1/O.S.)15周4分56秒290
5位 横山 慎之佑(NT1/O.S.)15周5分1秒940

予選第2ラウンド
TGゴムタイヤクラス
予選1ラウンド目で降っていた雪もやみ路面コンディションは回復へ向かう。しかし、気温は上がらず、当然ながらタイヤ温度でグリップの変化するゴムタイヤにとって厳しい状況に変化は無く、各選手は苦戦を強いられる。そんな中でも植田選手と梅本選手がレースを引っ張る。さらに、松川文彦選手(NT1)をも交えた3台によるトップ争いが繰り広げられる。このラウンドでは梅本選手が先頭を走り、植田、松川選手が続く。そのまま梅本選手が前ラウンドでの植田選手のタイムを上回る13周5分3秒396でトップゴールし、TGゴムタイヤクラスのトップに立つ。

TGゴムタイヤクラス
1位 植田 博之選手(NT1)13周5分7秒097
2位 梅本 辰彦選手(MTX5)13周5分9秒569
3位 棚橋 研選手(MTX5)13周5分14秒685
4位 具志堅 武治選手(NT1)13周5分22秒080
5位 片岡 義人選手(NT1)13周5分23秒679

スポーツクラス
1組目を走行する浅野一朗選手(NT1/O.S.)が15周をカウントできそうなラップタイムで走行。1組目をトップゴールするが、惜しくも14周5分0秒777と、15周に僅かに届かず。続く2組目では新屋昌希選手(MTX6/Nova)が20秒245というベストラップを記録。そのペースで15周5分19秒454でゴールするが、スポーツクラストップタイムである予選第1ラウンドに西本選手が記録した15周5分18秒785に及ばず。最後、3組目では原田博志選手(Natrix748/Picco)がトップタイムホルダーである西本選手を抑えてトップを走行。しかし、ゴール直前にまさかのストップにより14周4分57秒744予選第2ラウンドを終える。もし、原田選手が完走できたとすればスポーツクラストップタイムの西本選手のタイムに匹敵していたと思わるだけに悔やまれる。

スポーツクラス
1位 西本 光宏選手(NT1/O.S.)15周5分18秒785
2位 新屋 昌希選手(MTX6/Nova)15周5分19秒454
3位 原田 博志選手(Natrix748/Picco)14周4分57秒744
4位 浅野 一朗選手(NT1/O.S.)14周5分0秒777
5位 棚橋 研選手(MTX6/Nova)14周5分3秒766

オープンクラス
序盤から佐橋(弟)選手がレースをリードするが、寺内選手がこれを追う。そしてレース中盤には遂に寺内選手がトップに立ち、佐橋(弟)、佐橋(兄)、横山慎之佑選手(NT1/O.S.)が続く。そのまま寺内選手が前ラウンドの佐橋(弟)選手のタイムを上回る16周5分14秒629でトップゴール。2番手を走行していた佐橋(弟)選手はタイムロスしてこのラウンドを4番手でゴールする。2番手には佐橋(兄)も16周5分15秒431と、予選1ラウンド目に弟の忠彦選手が出したタイムを上回る総合2位のタイムでゴール。

オープンクラス
1位 寺内 翼皓選手(MTX6/Nova)16周5分14秒629
2位 佐橋 祐也(兄)選手(Natrix748/Picco)16周5分15秒431
3位 佐橋 忠彦(弟)選手(Natrix748/Picco)16周5分15秒702
4位 横山 慎之佑(NT1/O.S.)16周5分16秒473
5位 山田 勇斗選手(MTX6/Nova)16周5分16秒844

予選最終ラウンド
TGゴムタイヤクラス
予選トップの逆転を狙い、植田選手が序盤からレースをリード。ライバルの梅本選手が予選トップのポジションを死守すべく植田選手に続く。しかし、両者の差は次第に広がり植田選手がそのまま完走し、さらにこれまでの予選トップタイムを大きく打ち破る13周5分1秒090で見事TQを獲得。

TGゴムタイヤクラス
1位 植田 博之選手(NT1)13周5分1秒090
2位 梅本 辰彦選手(MTX5)13周5分3秒396
3位 松川 文彦(NT1)13周5分8秒818
4位 寺部 泰三(NT1)13周5分13秒421
5位 棚橋 研選手(MTX5)13周5分13秒871

スポーツクラス
参加台数が最も多く、これまで激しい予選争いが繰りひろげられたスポーツクラスでは、トップタイムホルダー 西本選手の記録を打ち破るべく各選手が果敢に最後のタイムアタック。1組目の浅野選手がこの最終ラウンドでは絶好調な走りを見せる。後続の遠藤凛選手(MTX6/O.S.)もその浅野選手のペースに難なく追従。この1組目のトップ争いは事実上スポーツクラスのトップ争いとなり、前を走る浅野選手が15周5分10秒559を記録してスポーツクラスのトップに立つ。続いてゴールの遠藤選手は浅野選手に続く15周5分11秒129を記録し一気に予選総合2位となる。一方、浅野選手に大きく差をつけられた3組目を走行する西本選手は完走こそしたものの15周5分21秒350と自身のタイム更新には至らなかったものの、これまでのタイムから総合3位で予選を終える。この組をトップでゴールした原田選手は自身の記録を更新する15周19秒262でゴールし、総合4位に位置し決勝シードを獲得した。

スポーツクラス
1位 浅野 一朗選手(NT1/O.S.)15周5分10秒559
2位 遠藤 凛(MTX6/O.S.)15周5分11秒129
3位 西本 光宏選手(NT1/O.S.)15周5分18秒785
4位 原田 博志選手(Natrix748/Picco)15周5分19秒262
5位 新屋 昌希選手(MTX6/Nova)15周5分19秒454

オープンクラス
この最終ラウンドでは佐橋祐也(兄)選手(Natrix748/Picco)がレースをリードし逆転を狙う。それを弟の佐橋忠彦選手、そして寺内翼皓選手(MTX/Nova)が追う。しかし、トップを走行していた佐橋(兄)のマシンがまさかのエンジンブロー。これで後続の寺内選手がトップとなり、そのまま16種5分13秒420というTQタイムでゴール。続いてこの3ラウンド目をなんとか満足できるタイムで山田勇斗選手(MTX6/Nova)が総合2位のタイムとなる16周5分15秒229でゴール。

オープンクラス
1位 寺内 翼皓選手(MTX6/Nova) 16周5分13秒420
2位 山田 勇斗選手(MTX6/Nova) 16周5分15秒229
3位 佐橋 祐也選手(Natrix748/Picco)16周5分15秒431
4位 佐橋 忠彦選手(Natrix748/Picco)16周5分15秒702
5位 横山 慎之佑選手(NT1/O.S.)16周5分16秒473


決勝
TGゴムタイヤクラス(20分間)
スタート後は植田選手が先頭となり、松川文彦選手(NT1)、棚橋選手、津曲選手がトップ集団となりレースをリード。一度目の給油を終えたところから松川選手がトップ集団から遅れ、大きく順位を落とす。トップは依然として植田選手がキープし、棚橋、津曲選手が続く。このあたりから梅本選手がトップ集団に追いつき、徐々にペースを上げてくる。その後もトップの植田選手はミスすることなく走行し、次第に後続との差を広げてくる。2回目の給油後になると梅本選手が3番手まで浮上し、トップから植田、棚橋、梅本の順位となる。トップを走行する植田選手はミスすることなく20分間を完走して優勝を果たした。2番手を走行していた棚橋選手も追い上げてきた梅本選手を振り切って2位でゴールし、続く梅本選手が3位でチェッカーを受けた

スポーツクラス
1/4ファイナル(10分)
スタート直後のコーナーで後続のマシンが数台接触。これにより、渡辺匡弘選手(MTX6/O.S.)がマシンにトラブルを抱えて早々にリタイヤ。トップは好スタートを決めた河野哲弥選手(RRR/O.S.)が走行。しかし、すぐに小林洋之選手(R4/O.S.)にポジションを奪われてしまい、その後は大きく後退してしまう。トップとなった小林選手の後ろを安藤誠選手(RRR/O.S.)、上村二郎選手(Natrix748/Picco)が続く。その後、小沢忠志選手(MTX6/O.S.)が上村選手を抜いて3番手に浮上。そして給油のタイミングでトップが小林選手から安藤選手に入れ替わり、3番手の小沢選手が大きく後退。そして追い上げてきた武田憲一郎選手(Natrix748/Picco)3番手となり4番手を上村選手と河野選手が争う。トップの安藤選手はそのままトップでゴールし、続いて小林選手もゴール。3番手を走行していた武田選手はゴール直前に後続で4番手争いをしていた河野選手と上村選手にちょっとしたスキを突かれて抜かれてしまう。結局、トップでゴールした安藤選手とその後ゴールした小林選手、河野選手、上村選手がセミファイナルへ勝ち上がることとなった。

1/2ファイナル(15分間)
1番グリッドスタートの新屋選手が序盤からハイペースで走行。その後を棚橋、松田、河野選手が続く。しかし、棚橋選手がアクシデントによって大きく後退してしまう。これでトップから新屋、松田、河野という順位となる。しかし河野選手はトラブルにより大きくタイムロスし、代わって滝正行選手(MTX6/O.S.)が3番手となる。一度目の給油後、序盤で順位を大きく落とした棚橋選手が怒濤の追い上げを見せて4番手にまで浮上。さらに棚橋選手は前の松田選手をパスして3番手に浮上し、給油のタイミングで2番手になった滝選手に迫り、ここから滝選手と棚橋選手の熾烈な2番手争いが始まる。しかし、その間にもトップの新屋選手は後続との差を広げて独走状態となる。新屋選手はそのまま余裕の走りでトップゴールし、グランドファイナルへ進出を決めた。2番手争いは何度も順位を入れ替えながら滝選手と棚橋選手が走り、最後は棚橋選手が滝選手を抑えて2位でゴール。3位に滝選手、4位には堅実な走りで着実に順位を上げてきた森谷選手がゴール。

グランドファイナル進出ドライバー
1. 浅野 一朗選手(NT1/O.S.)
2. 遠藤 凛選手(MTX6/O.S.)
3. 西本 光宏選手(NT1/O.S.)
4. 原田 博志選手(Natrix748/Picco) ※ここまでがシード選手

5. 新屋 昌希選手(MTX6/Nova)
6. 棚橋 研選手(MTX6/Nova) 
7. 滝 正行選手(MTX6/O.S.)
8. 森山 孝明選手(MTX6/RB)
9. 大垣 哲也選手(HK1/O.S.)
10. 皆川 誠選手(NT1/Nova)
11. 河野 哲也選手(NT1/O.S)
12. 上村 二郎選手(Natrix748/Picco)

グランドファイナル(20分間)
若手選手ひしめく中、ベテラン棚橋選手が健闘!

スタート後、遠藤選手がトップとなり、8番グリッドスタートの森山選手が序盤の混乱をうまく避けて2番手に。続いて、西本、皆川、浅野、棚橋選手が続く。そして浅野選手が混乱が収まらないうちに一気に2番手まで浮上し3番手に西本、4番手に棚橋選手という形となる。3分を過ぎると、西本選手はマシンがトラブルを抱えてトップグループから脱落。このときスタートで出遅れた新屋選手が追い上げてきており3番手にまで浮上。そして2番手の浅野選手のアクシデントの隙に新屋選手が2番手となる。各車、一度目の給油を終えてトップから遠藤、新屋、棚橋、皆川、大垣選手という順位となる。その後、皆川選手のマシンがトラブルを抱えて順位を落とし、大垣選手が4番手となる。そのままの順位で時間は経過し、遠藤選手がトップゴールしてPGTC参戦6年目にしてスポーツクラス初優勝を成し遂げた。続いて、新屋選手、棚橋選手がゴール。

オープンクラス
グランドファイナル(20分)
波乱のラスト2分、横山 V.S. 佐橋(弟)


1番グリッドの寺内選手が好スタートを決めてトップを走行。佐橋(兄)、佐橋(弟)、高畑選手と続く。しかし、高畑選手が序盤からトラブルを抱えて後続の横山選手にあっけなくポジションを明け渡してしまい、その後は一気に最後尾まで後退。そして一度目の給油で横山選手が2位に浮上。佐橋兄弟は3、4番手となる。ところが、7分を過ぎてトップを走行していた寺内選手がまさかのトラブル。これで寺内選手は6番手まで順位を落とし、横山選手がトップとなる。2番手に佐橋(弟)、3番手に佐橋(兄)選手。そして4番手には山田選手が走行し、5番手には下選手が追い上げてきていた。各車2回目の給油を終え、下選手がさらにペースを上げて少しづつ前との差を詰める。その後、レースは膠着状態になったようにも見えたが、2番手の佐橋(弟)選手が横山選手との差を少しずつ詰めてきていた。そして4秒近い差がゴール3分前には1.8秒差と、両者の差はトップを走行する横山選手の視界にも入る距離となる。そして遂に佐橋(弟)選手のマシンが横山選手のインを挿す!ところが、佐橋(弟)のマシンが横山選手とサイドバイサイドの状態からハイサイド。そのままアウト側の横山選手のマシンをも巻き込むクラッシュになるかと思われたが、横山選手のマシンの上を佐橋(弟)選手のマシンが飛んで行き横山選手は難を逃れる。そのまま横山選手がトップゴールし、最終戦を見事優勝で終えた。2位には佐橋(兄)選手、3位には佐橋(弟)選手がゴールした。